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Nov 12, 2023

デンソー、SiCパワー半導体を使用した初のインバーターを開発

~高効率シリコンカーバイドチップにより電気自動車の電力損失を大幅に削減~

刈谷市 (2023 年 3 月 31 日) – 大手モビリティサプライヤーであるデンソー株式会社は、炭化ケイ素 (SiC) 半導体を使用した初のインバーターを開発したと発表しました。 このインバータは、BluE Nexus Corporationが開発した電動駆動モジュール「eAxle」に組み込まれており、3月30日に発売される同社初のバッテリー式電気自動車(BEV)専用モデルである新型レクサス「RZ」に搭載される。

SiCパワー半導体はシリコンとカーボンで構成されており、シリコン(Si)パワー半導体と比較して電力損失を大幅に低減します。 SiC半導体インバータを使用したBEVの特定条件下での走行試験により、SiCパワー半導体を搭載したインバータは、Si半導体を搭載したインバータに比べて電力損失が半分以下になることが実証されました。 その結果、BEVのエネルギー効率が向上し、航続距離が延長されます。

新型インバータ開発のポイント・デンソー独自のトレンチ型MOS構造※1を採用したSiCパワー半導体により、発熱による電力損失を低減し、チップあたりの出力を向上させます。 独自の構造により高耐圧・低オン抵抗※2動作を実現しました。

新型インバータ製造のポイント• デンソーと株式会社豊田中央研究所が共同開発した高品質技術をベースに、新エネルギー・産業技術総合開発機構の委託事業の成果を盛り込んだSiCエピタキシャルウエハ※3を活用組織(NEDO)。 その結果、結晶の原子配列の乱れによりデバイスの正常な動作を妨げる結晶欠陥の数を半減することができました。 ・結晶欠陥の低減により、車載用SiCパワー半導体デバイスの品質と安定性が向上します。生産が確保されています。

デンソーは、SiC技術を「REVOSIC®」と名付け、ウエハーから半導体デバイス、パワーカードなどのモジュールに至るまでの技術を総合的に開発しています。デンソーは、今後もさらなる効率化を目指した開発を通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。 2022年に採択されたグリーンイノベーション基金(GI基金)※4の助成金も活用しながら、車両のエネルギーマネジメントを推進します。

※1 デンソー独自のトレンチ型MOS構造:デンソーの特許電界緩和技術を用いたトレンチゲートを備えた半導体デバイス。 ※2 オン抵抗:電流の流れやすさの指標。 数値が小さいほど電力損失が低いことを示します。 ※3 SiCエピタキシャルウェーハ:SiCの薄膜をエピタキシャル成長させたSiC単結晶ウェーハ ※4 グリーンイノベーション基金(GI基金):経済産業省が創設したGI基金デンソーは、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すNEDOに委託され、次世代パワー半導体デバイス(電気自動車用)製造技術開発事業の補助金の採択を受けました。

製品写真

インバータ

パワーカード

【参考】REVOSIC®の詳細はこちら:https://www.denso.com/global/ja/news/newsroom/2020/20201210-g01/

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